子どもに時計をよめるようになってほしいと願うママへ~時計の読みの教え方~
こんにちは。花咲ママです。
なんか暑くなったり寒くなったり、幼稚園の送り迎えの服装に悩む今日この頃。
この前、花ちゃんのお友だちのママが時計の話をしていたので、この記事を書いてみました。
「〇〇ちゃんは時計よめるんだって。」
これを聞くとなんだか焦らずにはいられないママも多いはず。
小学校の教科書をのぞいてみると、なんと!
1年生の5月頃に「いまなんじ」という単元で〇時と〇時半の学習を、3学期には「なんじなんぷん」という単元で〇時〇分の学習をすることになっています。
しかも!「いまなんじ」が1時間、「なんじなんぷん」が2時間の配当になっています。そう、授業では時計の学習を3時間ですませることになっているんです。
そんなムチャな。
まぁ無理ですが。先生たちはいろいろやりくりして、あと数時間とってくれていると思います。
なぜこんな無茶な計画になっているかというと、昔は2年生とかでやっていた学習が1年生におりてきたということが一番大きく、2年生なら毎日時計を見て生活してるんですよね。だからもともと知っていることが教科書に出てくる感じだったのです。
とはいえ、2年生を担任したときに時計を指導したこともありますが、2時間で「なんじなんぷん」の指導は無理でしたね。
なぜなら、最近の子どもたちはアナログの時計を学校でしか見ていないから!
こうなったら、予習しなきゃ!と急いで買ってくるのは問題集ではないことが分かりますよね。そうまず買いたいのはアナログの時計です。
昔の?子どもたちのように、生活の中で自然に時計のよみ方を習得させた方がいいですよ。
「なんでアナログ時計をよまなきゃいけないの?デジタルの時計を使うもん。」
「大人になったときになんの役にたつの?」
なんて言わせるもんですか!
では、どうすればいいか?
スタートは簡単です。
まずは時計を生活の中に取り込むことです。
Lesson1 時計を取り入れる
step1 アナログ時計を置く。
え。置くだけ?
そうです。家の中に取り入れてください。
ちなみに、置くのはリビングなど、子どものいる時間が最も長い場所。
たくさん置けるなら、各部屋にあればいいですが、優先順位は子どものいる時間の長さで考えましょう。
時計の選び方は
〇なるべくシンプルであること。
〇大きめで見やすいこと。
〇できれば秒針がある方がオススメ。(後々、役に立ちます。)
ローマ数字(ⅠとかⅡ)の文字盤とか変わった針とかいりません。1から12までの数字の文字盤に、長い針と短い針、そして秒針があれば、なおいいです。
よく学校の教室とかにあるやつですね。
秒針の音が気になる方には、カチカチ音が鳴らないタイプもありますし、お好きなのを選びましょう。
そして、「これは時計だよ。」と教えてあげてください。
このstepについては、0歳児から可能です。
step2 時計を生活の中に取り入れる。
家の中に取り入れたら、せっかくだから生活の中に取り入れましょう。
生活の中に取り入れるというのは、子どもに時計を意識させるということです。
「時計の長い針が3のところにきたら片付けようね。」などの声掛けから初めてみましょう。
ポイントは「長い針が」です。
これが時計だと分かったら、今度は針があって、その針が動くんだということを教えてあげましょう。うちでは、長い針と短い針、あと秒針は速い針とよんでます。
数字がよめない子どもには、3、6、9、12のところに動物のイラストなどを貼るなどして、「長い針が、きりんさん(貼り付けたイラスト)のところにきたら出かけるよ。」といった声かけができるので、2歳ぐらいからでも始められます。
時計や時間を意識して行動するという点においては、しつけにもつながります。
また切り替えの難しい、こだわりの強い子どもに有効な切り替え手段になることもあります。
ここまでが小学校に上がる前にできれば習得しておいてほしいことです。
花ちゃんの幼稚園でも普段の園生活の中に取り込まれているようです。
これができるようになると、なんだか時計をすぐよめちゃう気がして、1のとこが5分で…なんて教えたくなりますが、ちょっと待った!
子どもたちは、時計の針がどこをさしているか分かるようになったところなんです。
時計を意識するようになったなら、時刻が分かってほしい!でも慌てないで、1歩ずつ1歩ずつ。
Lesson2 時計をよむ
step3 〇時がわかる
いよいよ時計を見る、針を見る段階から、時計を読むところに入っていきます。
これまで、長い針に注目してきたのですが、「3のところにきたら」とか、「6のところになったら」と、ぴったりの時間をみてきたんです。なので、1本の針だけでなく2本の針をみるためには、まず、針が2本ともぴったりになる、「〇時」をよむことから始めましょう。
そして、この時も、「これが3時だよ!」とか、「さぁこれは何時でしょう?」と教えるのではなく、生活の中の〇時を意識してみましょう。
例えば…
「3時になったらおやつにしよう。」
「7時になったらドラえもんが始まるよ。」など。
「3時って針が何のところ?」と聞いてきたら、Lesson1を完璧に習得できていることが分かります。
もちろん聞いても聞かなくても、
「短い針が3で、長い針が12のところに来たら、3時だよ。」
と教えてあげてください。
ポイントは短い針から見るようにすること。
これは、時間をよむとき、必ず〇時〇分と短い針からよむためです。
2本の針を見ているようですが、長い針はいつも12にきているので、子どもは短い針に注目しています。
なので、案外簡単にクリアできるかもしれません。
「ぴったり」って、子どもは好きなので、子どもがふと時計を見て、「お母さん2時ぴったりやで!」なんて目を輝かせて言ってくれたりします。
「ホンマや!すごー!…え?!2時分かったん?」とオーバーにほめてあげましょう。
さぁ、次は何時何分でしょ?なんて早まらず、やっぱり一歩ずつ。。
step4 〇時半が分かる
なんだかじれったい気もするでしょうが、ゆっくり行きましょう。
今度は、長い針が6のところにくる〇時半です。
ここでのポイントは、長い針が6にくるということではなく、短い針が2つの数字の間にくるということです。
例えば2時半というのは、2時から長い針がぐるっと1周まわって3時になる、そのちょうど半分まわったところなんです。
だから短い針は2と3のちょうど真ん中にくるのです。
30分という言い方もありますが、ここは半分だから〇時半という言い方をあえて使いましょう。
ここでなぜ〇時5分とかから順にやってけばいいんじゃない?という考えもあるかもしれませんが、ここでは、短い針が何と何(たとえば2と3とか)の間にあるかがはっきりと分かりやすいという点でも、〇時の次に〇時半を学ぶべきなのです。
さぁ、ここまでが1年生の1学期に学習することです。
今、年長さんの方は、次の4月までにこのstepまできていると、「いまなんじ」の単元でつまづくことはありません。
1年生の方は、今の時点でつまづいている感じがするなら、どのstepまで習得できているか見極めて、丁寧に生活に取り入れなおしましょう。3学期の「なんじなんぷん」の学習までに追いついておくことのほうが重要です。
step5 ちょっと前とちょっとすぎ
え?次こそ何時何分やろ?と思った方もいるでしょう。
このstepは、ここまでのstepですでに習得している場合が多いですが、意識してやっておくと、とてもいいと思うので、紹介しておきます。
生活の中でこんなことはないですか?
「お母さんおやつちょうだい。」
「まだ3時になっていないよ。」
「昼ごはんまだー?」
「あ!もう12時過ぎてる!」
このちょっと前とか、ちょっとすぎとか、あるいはまだまだとか、めちゃくちゃ過ぎてるとか、これが分かることってとても大切なんです。
「なんじなんぷん」の学習をしていると、1時55分を2時55分とよんだりといった間違いがとても多くみられます。
これは、短い針が1と2の間にある場合小さい方をよみましょうとか、そういう指導をするためです。
さらに、12と1の間の時だけは12とよみましょうとかいうともっと混乱します。
55分とかになると、針が1と2の間にあるのか、2をさしているのか、とても分かりにくいのです。
だったら、まだ2時じゃないから1時だという見方をする方が間違いないのです。
それから、〇時ちょっとすぎ、ちょっと前だけでなく、〇時半のちょっとすぎ、ちょっと前もやっておく方がオススメです。なぜかというと、分針の細かい目盛りをよむときに針の進む方向を間違えることがなくなるからです。
しつけの意味でも、ちょっと前だから少し待つとか、ちょっと過ぎたから急ぐなど、わかると便利なこともあります。
step6 〇時〇分が分かる(その1)
いよいよここまできました!
〇時〇分が分かるようになるのに、次に難しいのは長い針の1が5分、2が10分と、見たままよめないことです。
九九なんてまだわからないし、5、10、15…という練習をする?
いいえ。文字盤の1は5分だと分かるのは簡単。数字が分からない幼児にイラストを貼ったように、文字盤の数字のよこに分針のよみを書いて貼ってしまいましょう。
子どもはすぐに覚えるので、付箋とかでOK!覚えたらはがせばいいのです。
〇時、〇時半が分かれば、〇時〇分は割とすぐによめるようになります。
短い針は〇と✖の間、長い針は△のところというふうに見方がわかるようになれば、こっちのもの!
長い針が、21分などのように、ぴったりをさしていなくても気にせず、子どもは20分ちょっとすぎというような表現をしますが、ここでは、それでOK!step5で習得したことが生きてきます。
1時50分を2時50分と間違えるようなことがあれば、「まだ2時になっていないよ?」とヒントをあげましょう。
また、このあたりからは、「〇時になったら~しよう」というような声掛けから、「いまなんじ?」に進めていきたいところ。
でもいきなり、「いまなんじ?」と聞くのではなく、手が離せないから、時計を読んでほしいという感じでやってみましょう。
ご飯の支度をしているときに、「ごはんまだ~?」なんて言ってきたときには大チャンス!
「え?もうそんな時間?何時何分かみてきて。」と頼んでみましょう。
6時頃のはずなのに4時50分~なんて返事がきたときは、一緒に時計をみて、「5時50分やん~もうすぐ6時だもんね。50分は分かったやん!時計よめるようになってきたなー」なぁんて訂正しつつもほめてあげてください!
step7 〇時〇分が分かる(その2)
ここまでで、時計はほぼよめています。あとは、細かい目盛りをよむことです。
これは、大きな数、60までの数を習得していることが必要です。
60までの数は数唱(数を数えること)で習得できます。
お風呂で20まで数えたら上がろうとか、おにごっこで30数えようといったことを積み重ねることで自然と覚えることが可能です。
大きな数が分かるようになれば、あとは時計回りに小さな目盛りを数えるだけなので、このstepはすぐにクリアできます。
発達障害の子どもたちなどの中には小さな目盛りをよむというような細かい作業が難しい子どももいますので、無理をさせずに、お家ではstep6までというのもいいかなと思います。
学校では、プリントなどでも学習していきますので、時計が止まっている状態で目盛りを丁寧に数えることができるので、その方が分かりやすいという場合もあります。
また、学校の授業でどうも目盛りがよみづらいのでは?と思う場合は、宿題のプリントやドリルを拡大して試すなど、工夫をしてもらうよう担任の先生に相談してみてもいいと思います。
最後に…
時計をよむこともそうですが、どの学習もスモールステップで進めていくことが大切です。あわてないで、分かってから次に進むということを大切にしてほしいなと思います。
お子さまが初めて歩いたときのこととか、赤ちゃんの頃のことって覚えてますか?歩かせようと必死になったり、おもちゃを無理やり握らせたりすることじゃなくって、そぉっと立たせて手を放してみたり、手の近くにおもちゃ近づけてみたりしませんでしたか?
できたときに「すごい!」「やったやん!」「天才や!」なんて言いませんでしたか?
これが子どもたちの学びの原点です。「できたら嬉しい」んです。この感覚を持っている子は、後々、学習面でもぐんと伸びると私は思っています。
進むのは少しずつ、褒めるのは盛大に!やってみてください。
少し長くなってしまいましたが、ここまでにしたいと思います。秒針がいつ役に立つか?それはまたの機会に書きたいと思います。